こんにちは、「絵本ライフ」管理人の絵本ライフ編集長です。
『しろくまちゃんのほっとけーき』を発表会の劇にしたいけれど、「登場人物が少ない」「衣装はどこまで似せてよいの?」と迷っていませんか。子どもが無理なく参加でき、作品への敬意も伝わる演目にしたいですよね。
この劇は、卵を運ぶ、材料を入れる、混ぜる、焼く、分け合うという動きを役にすると作りやすくなります。少人数から大人数まで使える配役、衣装、小道具、オリジナルの台詞例を紹介します。
- 子どもの人数に合わせた配役の決め方
- 料理の流れを生かした劇の進め方
- 安全に使える衣装と小道具の工夫
- 脚色や制作物で確認したい著作権

劇を作る前に許可を確認
配役や小道具を考え始める前に、園や学校での上演方法と、作品利用の扱いを確認しましょう。ここを先に済ませると、練習が進んでから内容を作り直す事態を避けやすくなります。
脚色と制作物は事前申請
こぐま社の案内では、営利目的ではなく、入場料や読み手への謝礼が発生しないおはなし会で、絵本を見せながら原文のまま朗読する場合は許諾不要とされています。一方、絵を拡大する、物語を脚色する、絵本を基にパネルシアターやペープサート、人形劇を作るときは、著作権者の許諾が必要です。
発表会の劇は、非営利なら何をしてもよいわけではありません。上演、脚色、絵や文章の複製、録画配信では扱いが異なります。まずこぐま社の著作物利用案内を読み、必要な場合は利用許可申請書を提出してください。
扱いは、会の目的、料金、報酬、施設の区分、使い方によって変わる可能性があります。園や学校の責任者にも共有し、迷う場合は出版社や著作権に詳しい専門家へ相談してください。正確な情報は出版社や関係機関の公式サイトでご確認ください。
許可後も原文を写さない
許可を得て上演するときも、絵本の文章を台本へ丸ごと写したり、ページの絵をコピーして舞台装置にしたりせず、申請で認められた範囲を守ります。台詞は、クラスで生まれた言葉へ置き換えるのがおすすめです。
練習中に「たまごを落とさないように歩きたい」という声が出たら、それを短い台詞にします。原作の有名な言葉ではなく、子どもたち自身の料理ごっことして形にするイメージです。
舞台だけ許可されても、衣装や装置を撮影して公開できるとは限りません。園だより、限定配信、動画投稿の予定も申請時に伝えましょう。
発表会は料理の流れで作る
この作品を劇にするときの軸は、登場人物の数ではなく、ホットケーキができるまでの変化です。一つの場面に複数の子が関われるため、待つ時間が短くなり、全員に見せ場を用意できます。
七つの場面に分ける
まずは七つの場面に分けます。クラスの人数に合わせて減らしてもかまいません。長い台詞より、運ぶ、注ぐまねをする、輪になって混ぜるといった動きを中心にします。
| 場面 | 主な役 | 見せる動き |
|---|---|---|
| 始まり | 案内役、料理役 | あいさつして台所へ集まる |
| 材料集め | 卵、牛乳、粉の係 | 材料を落とさず運ぶ |
| 生地作り | 入れる係、混ぜる係 | 順番にボウルを囲む |
| 焼き始め | フライパン、火の係 | 離れて熱さを表現する |
| 焼ける変化 | 泡、ホットケーキ役 | 小さくなり大きく広がる |
| 盛り付け | 皿、飾り、配る係 | 一枚ずつ並べる |
| おわり | 全員 | 分け合って喜びを表す |
台詞より動きを先に決める
台本から作ると、話すのが得意な子に見せ場が寄りやすくなります。そこで、最初は台詞を書かず、「卵の箱を二人で持つ」「三人で大きなスプーンを動かす」「泡役が一人ずつ立つ」のように動線を置いてみましょう。そのあとに必要な言葉だけを足します。
床に色テープで立ち位置を示し、道具にも同じ色を付けると、次の動きが分かりやすくなります。テープで床が滑らないかは事前に確かめてください。

◆絵本ライフ編集長のワンポイントアドバイス
家庭での絵本ごっこでは、子どもが自分で見つけた動きを何度も楽しむことがありました。「どんなふうにやってみたい?」と聞くと、そのクラスらしい仕草が見つかるかもしれません。答えを急がせなくて大丈夫ですよ。
人数に合わせた配役
しろくまちゃんとこぐまちゃんだけを主役にすると、ほかの子の出番が短くなりがちです。料理の工程を役へ置き換えれば、少人数でも大人数でも無理なく調節できます。
少人数は役を兼ねる
五〜八人ほどなら、しろくまちゃん役、こぐまちゃん役、必要に応じておかあさん役を置き、材料、混ぜる、焼く、配る係を加えます。さらに少ない場合は、一人に二つの動きを持たせましょう。
案内役は先生が担当してもよいですし、短い言葉を楽しめる年齢なら子どもが交代で務めてもよいでしょう。一人だけが長く話すのではなく、「次は何かな」「みんなで運ぼう」のような短い呼びかけにすると、途中で言葉が止まっても周囲が受け取りやすくなります。
大人数は工程をチーム化
十五〜二十五人ほどなら、卵チーム、牛乳チーム、粉チーム、混ぜるチーム、泡チーム、ホットケーキチーム、配るチームに分けます。各チームが二〜四人で登場すると、全員が同じ役になるより舞台に変化が出ます。
泡チームはしゃがんだ状態から順番に立ち、ホットケーキチームは丸い布を持って輪を広げます。台詞のない役にも、観客から動きが見える瞬間を一つ作るのがコツ。自分が何をするか分かる配役を目指しましょう。
年齢に合わせて長さを変える
一〜二歳ごろは、名前を呼ばれて出る、材料を一つ運ぶ、音楽に合わせて揺れるだけでも立派な劇遊びになります。三〜四歳ごろは二つの動きをつなげ、五〜六歳ごろは子ども同士の受け答えや道具の受け渡しも加えられるでしょう。
上演時間は、一〜二歳で五〜八分、三〜四歳で八〜十二分、五〜六歳で十〜十五分ほどから試す方法があります。これはあくまで一般的な目安です。年齢だけで決めず、普段の活動時間や子どもの様子を見て、集中が続く長さへ変えてください。
場面別の台詞と演出
ここからは、絵本の文章を使わずに作った台詞例を紹介します。そのまま覚えさせるのではなく、子どもが言いやすい長さに変え、練習中に出た言葉も取り入れてみてください。
材料を運ぶ場面
案内役が「今日はみんなで、まあるいおやつを作ります」と伝え、材料係を呼びます。卵係は「そっと、そっと運ぶよ」、牛乳係は「白いミルクが通ります」、粉係は「ふわふわの粉を持ってきたよ」と順番に登場。料理役は「ありがとう。大きなボウルに集めよう」と受け取ります。
軽い材料の箱を二人で運ぶと、協力する場面になります。道に輪を置く場合も、転倒しない広さを優先してください。
混ぜて焼く場面
混ぜる係がボウルを囲み、「ゆっくり三回」「こんどは大きく三回」と動かします。回数をみんなで声にすると、観客も流れをつかみやすいですね。焼く係は「フライパンの近くは熱いよ。線の外で待とう」と伝え、安全を劇の言葉に含めます。
泡役は一人ずつ立ち上がり、「小さな穴がこんにちは」「こっちにも見つけたよ」と話します。最後にホットケーキ役が布を裏返し、「ふっくら焼けました」と登場。原作独自の擬音を台本へ移すのではなく、子どもが観察した様子を言葉にする演出です。
分け合う場面
配る係が「お皿はいくついるかな」と問いかけ、全員で数えます。料理役は「作った人も、運んだ人も、みんなで食べよう」と声をかけ、ホットケーキ役が一枚ずつ皿の近くへ移動。最後は「一緒に作ると楽しいね」など、クラスで決めた言葉で締めます。
紙や布のホットケーキを囲み、食べるまねだけでも伝わります。実食する場合は、卵、乳、小麦などのアレルギー、衛生、誤嚥の危険を確認し、給食や保健の担当者の判断に従ってください。
衣装と小道具の作り方
衣装や道具は、キャラクターの絵を再現することより、舞台上で役割が伝わることを優先します。色と形を絞ると準備しやすく、子どもも自分の持ち物を見つけやすくなります。
衣装は色分けで伝える
許可を得てキャラクター役を出す場合も、原画そっくりの顔や服を作らなければならないわけではありません。白や生成りの上着に、料理役はエプロン、材料係は色のたすき、泡役は丸い名札という程度でも役は伝わります。
作品を基にしない創作劇へ変更するなら、作品名、キャラクター名、特徴的な服、絵、文章を使わず、「おやつを作る子どもたち」のような独自設定にします。発表会の仮装やコスプレでも、頭を覆う仮面、首に巻くひも、長く引きずる布は避けましょう。
小道具は軽く大きく作る
卵は丸めた白い紙、牛乳は空の紙箱、粉は中身を抜いた軽い袋、ボウルは大きめのプラスチック容器で表せます。ホットケーキは、茶色と薄い黄色の布を縫わずに重ね、面ファスナーで裏返せる作りにすると扱いやすいでしょう。
厚紙のフライパンは振り回さない演出にします。木材、金属、ガラス、本物の調理器具は避け、小さな飾りは誤飲しない大きさで固定してください。
安全確認は、本番衣装を着た状態で行います。歩けるか、しゃがめるか、手を離しても飾りが落ちないか、照明の下で床が見えるかを一人ずつ確かめましょう。
パネル類は無断で作らない
しろくまちゃんの絵を写してパネルシアターやペープサートにすることは、手作りで無料の発表会に使う場合でも、出版社の案内上は事前申請の対象です。インターネットで見つけた画像を印刷したり、絵本のページを拡大コピーしたりするのも避けてください。
許可がない段階では、四角い牛乳箱、白い卵、丸いホットケーキなど、料理に必要な一般的な形だけで練習できます。ただし、作品を基にした上演そのものについて申請が必要な場合があるため、道具だけ独自にすれば自動的に問題がなくなるわけではありません。
練習から本番までの進め方
発表会の完成形を最初から見せるより、読み聞かせ、料理ごっこ、場面練習、本番通しの順で少しずつ重ねると、劇の流れが遊びとして身につきやすくなります。
読み聞かせから始める
最初に原書を一緒に読み、「どの動きがやってみたい?」「焼けるときは体でどう表せそう?」と聞いてみます。答えが出なくても、先生がいくつか動いて見せ、気に入ったものを選べるようにすれば十分です。

こぐま社の作品情報では、本書は二十二ページ、年齢の目安は〇歳から三歳ごろまでと案内されています。ただし、これは絵本を読む際の目安であり、劇の対象年齢を限定するものではありません。年中や年長なら、役同士の相談や数える場面まで広げる楽しみ方もできます。
部分練習を重ねる
初めは一場面ずつ遊び、慣れたら二場面をつなぎます。欠席した子がいても進められるよう、同じチームで互いの動きを知っておくと安心です。
音楽は、施設で使用できる音源、または自分たちの手拍子や打楽器を選びます。市販曲の購入と、公の場での利用は同じではないため、担当者へ確認してください。
本番は助け方を決める
舞台袖では、道具を渡す大人と、子どもを送り出す大人を分けます。言葉が止まったら、案内役が促す、チームで言う、動きだけで進むという助け方を決めておきましょう。
本番でいつもと違う行動をしても、失敗と決めつけないこと。観客を見て止まる、道具を持ったまま戻る、台詞を言わずに笑うこともあります。安全が保てるなら、その子なりの参加として受け止め、次の場面へやさしくつなぎましょう。
絵本を用意する方法
劇の準備では、台本だけでなく原書へ戻る時間が大切です。現在確認できる『しろくまちゃんのほっとけーき』は紙の絵本なので、読み聞かせや練習に使う一冊を用意しましょう。
紙版の絵本を用意する
紙版は、子どもたちと絵を囲み、ページをめくる間も一緒に楽しめるのが魅力です。劇の動きを考えるときも、原書へ戻りながら、子どもが気になった場面や仕草を確かめられます。
Amazonで確認できる『しろくまちゃんのほっとけーき』は紙版です。「こぐまちゃんえほん」のシリーズページに「Kindle版」と表示される場合がありますが、個別のKindle版を購入するページではありません。価格や在庫は変わるため、購入前にAmazonの紙版商品ページで最新情報をご確認ください。
毎月どの絵本を選ぶか迷う家庭では、年齢に合わせた絵本の定期便も選択肢です。ただし、希望作品が必ず届くとは限りません。対象作品、配送時期、解約条件を公式ページで確認してください。
よくある質問
最後に、配役、衣装、パネルシアター、上演時間など、準備中に迷いやすい点へ短く回答します。
しろくまちゃん劇のよくある質問
Q1. しろくまちゃん役は一人に決めますか?
A. 一人に限定する必要はありません。場面ごとに交代する、料理役を複数にする、全員を材料や調理のチームにする方法があります。主役名より、各自に見える動きがあるかを基準に決めるとよいでしょう。
Q2. 発表会は何分くらいがよいですか?
A. 一〜二歳は五〜八分、三〜四歳は八〜十二分、五〜六歳は十〜十五分ほどから試せます。ただし、一般的な目安にすぎません。練習中の様子を見て、楽しく終われる長さへ調節してください。
Q3. 衣装やコスプレは手作りできますか?
A. 発表会で作品のキャラクターを再現するなら、上演内容と一緒に出版社へ利用範囲を確認するのが安心です。無断で原画を写したお面や服を作ることは避け、許可された範囲で、視界や動きを妨げない衣装にしてください。
Q4. パネルシアターやペープサートにできますか?
A. こぐま社は、絵本を基にしたパネルシアター、ペープサート、人形劇などに著作権者の許諾が必要と案内しています。作り始める前に公式の利用案内を確認し、申請結果を待ってください。無断販売もできません。
Q5. 発表会の動画を配信してもよいですか?
A. 上演の許可と動画配信の許可は同じとは限りません。限定公開でも、作品利用の条件と子どもの肖像・個人情報の両方を確認する必要があります。出版社、園や学校の責任者、保護者へ事前に確認してください。
まとめ
『しろくまちゃんのほっとけーき』の劇は、主な登場人物を増やすことより、料理の工程をみんなの役にするとうまく広がります。
- 卵、牛乳、粉、混ぜる、泡、焼く、配る役に分ける
- 台詞を覚える前に、一人ひとりの動きを決める
- 衣装と小道具は軽さ、視界、転倒防止を優先する
- 脚色や制作物、録画配信は事前に利用条件を確認する
原文や絵を舞台へ移さず、許可を得た範囲で、子どもたちの言葉と動きに育てること。それが作品を大切にし、全員に出番のある発表会へつなげる方法です。完成度だけを追わず、一緒に作る時間まで楽しんでくださいね。
