こんにちは。絵本のサイト絵本ライフ、運営者の「絵本ライフ編集長」です。
子供たちが大好きな絵本の世界を、運動会や発表会の飾りに取り入れたいと考える先生やパパママは多いですよね。特にあの大きなカステラや愛らしいねずみのキャラクターは、見ているだけでワクワクします。でも、実際に大きな壁面飾りを作ろうとすると、「絵心がないから下絵が描けない」「業者に頼むと高いし、予算内で収まるか心配」といった悩みに直面することもあるのではないでしょうか。
実は、身近な100均の素材やスマホアプリを活用することで、誰でも簡単に、しかも低予算でクオリティの高いモザイクアート風の作品を作ることができるんです。絵本の中でも不動の人気を誇る作品だからこそ、イベントの装飾として取り入れると子供たちの反応が違います。「クラスみんなで協力して作れる(協同製作)」という点でも、運動会のチームワークや発表会での団結力を象徴するモチーフとして非常に相性が良いですね。

- 100均素材だけで作れるコストパフォーマンスの高さと材料選びのコツ
- スマホアプリを使った、絵心がなくても失敗しない下絵設計図の作り方
- 子供と一緒に楽しめるちぎり絵やシール貼りの具体的な工程と指導のポイント
- 運動会や発表会がさらに盛り上がる、写真映えする壁面装飾のアイデア
1. 準備編:100均素材とアプリで「設計図」を作ろう
「縦横1メートルを超えるような大きなアート作品」と聞くと、高価な専門画材が必要に思えるかもしれませんが、実は材料のほとんどがダイソーやセリアなどの100均で揃います。まずは低コストで豪華に見せるための材料選びと、失敗しない設計図の作り方をご紹介します。
おすすめの画用紙・お花紙と便利グッズ
モザイクアートの画素(ドット)となる素材には、いくつか種類があります。作品の設置場所(屋内か屋外か)や、作りたい質感に合わせて選んでみてください。

| 素材名 | 特徴・メリット | おすすめの用途・表現 |
|---|---|---|
| 色画用紙 | 発色が良く丈夫。日焼けにも比較的強い。1cm〜2cm角の正方形に切って使用する。 | カチッとしたドット絵風にしたい時や、輪郭線をはっきりさせたい時。 |
| お花紙 (フラワーペーパー) | 薄くてふわふわした質感。くしゃっと丸めて貼るだけで立体感が出る。 | カステラのふんわり感、動物の毛並み、草木の表現に最適。 |
| 丸シール (タックシール) | 裏がシールなので糊付け不要。作業スピードが格段に上がる。 | 小さな子供との作業、細かい目やヒゲの部分、準備時間を短縮したい時。 |
| マスキングテープ | 色柄が豊富で貼り直しが可能。ちぎって貼ると独特の風合いが出る。 | 手書き風の優しいタッチを出したい時や、小規模な作品に。 |
私が特におすすめなのは、「お花紙(フラワーペーパー)」です。一枚一枚きれいに貼る必要がなく、適当に丸めて貼るだけでボリュームが出るため、多少の隙間ができても気になりません。平面の絵でも立体感のある豪華な仕上がりになり、運動会の入場門などに使うと遠目でもかなり目立ちますよ。
制作にあると便利な道具リスト
これらの道具も100均で揃えられます。
- 模造紙:作品の土台になります。白が基本ですが、背景色に合わせて空色などを使っても便利です。
- スティック糊:水糊だと紙が水分で波打ってしまうため、シワになりにくいスティック糊やテープ糊がおすすめです。
- 長い定規(30cm以上):下絵のマス目を引く際に必須です。
- スマホ・タブレット:アプリで作成した設計図を表示しながら作業します。
失敗しない!無料アプリで写真をドット絵に変換する手順
モザイクアート制作で一番のハードルとなるのが「下絵」です。なんとなくの勘で貼っていくと、完成したときにバランスが崩れて、「これ何?」と言われてしまうことも…。そこで活躍するのが、写真をドット絵やモザイクアートに変換してくれる無料アプリです。

私がよく利用しているのは、「ビーズアート」や「クロスステッチ」用の図案作成アプリです。これらは「画像を読み込んでマス目に色を割り当てる」機能に特化しているため、モザイクアートの設計図作りに最適なのです。
- 素材画像の準備
再現したい絵本の世界観に近い写真や、自分で描いたラフスケッチをスマホで撮影します。
※絵本の原画をそのままスキャンしてネット上で配布することは著作権侵害になるので絶対に避けましょう。あくまで「個人や教育現場で楽しむための設計図」として利用します。 - アプリに取り込む
アプリの「画像読み込み」機能を使って画像をアップロードします。 - 解像度(マスの数)を調整する
ここが最大のポイントです!細かすぎると作業が終わりません。例えば、90cm×90cmの模造紙に1.5cm角の色紙を貼る場合、計算上は「60マス×60マス」になります。「横幅50〜60マス」程度に設定すると、子供でも扱いやすく、かつ絵柄も認識できる丁度よいバランスになります。 - 色数を絞る(減色処理)
写真はフルカラーですが、画用紙の色数は限られています。アプリの設定で色数を「10色」や「12色」程度に強制的に減らしましょう。こうすることで、「このエリアは赤、ここは青」と迷わずに貼れるシンプルな設計図が完成します。
著作権に関する重要なお知らせ
キャラクターを使用した作品作りは、個人的に楽しむ範囲や、学校等の教育機関での授業の過程で使用する場合(著作権法第35条)などに限って認められています。作成した設計図やキットを販売したり、公式サイトの画像だと誤認させるような方法でWeb上に公開することは権利侵害となる可能性があります。
正しいルールの範囲内で、ファンアートや工作として楽しみましょう。
(出典:文化庁『著作権制度の概要』)
2. 実践編:子供と一緒に!モザイクアートの作り方
設計図ができたら、いよいよ制作スタートです!この工程は、0歳児クラスのイベント準備などでも、保護者が集まって行うと話が弾んで楽しい時間になりますよ。
(参考:0歳児クラスの発表会・生活発表会でのおすすめの出し物・絵本)
下絵の準備から貼り付けまでを解説

まずは土台となる模造紙に、薄くマス目を引きます。先ほどアプリで作った設計図を見ながら、「ここは『あ』(赤)」「ここは『き』(黄)」といったように、マス目の中に色の頭文字を鉛筆で薄く書き込んでおくと、子供たちが迷わずに、ゲーム感覚で貼ることができます。
1. 素材の準備(大量カットの裏技)
色画用紙を使う場合は、1.5cm〜2cm角の正方形にひたすらカットします。画用紙を何枚も重ねてクリップで留め、カッターで一度に切ると効率的です。この「素材作り」は、ハサミの練習として年長さんにお願いするのも良いですね。お花紙を使う場合は、適当な大きさにちぎって、くるくると小さなお団子状に丸めておきます。
2. 貼り付け作業は「端」から!
いよいよ貼り付けです!綺麗に仕上げるコツは、「端っこから攻める」ことです。真ん中から貼るとズレやすくなります。
お花紙の場合は、土台の方にスティック糊を広範囲に塗り、その上にお団子をポンポンと置いていくと早いです。隙間なくギュウギュウに埋めていくと、フワフワの絨毯のようになります。特に「カステラ」の黄色い部分は、お花紙で作ると本当に美味しそうで温かみのある質感になるので、ぜひ試してみてください。

3. 仕上げと補強
全て貼り終えたら、一度離れて遠くから眺めてみましょう。「あれ?ここ色が薄いな」と思う部分があれば、上から重ね貼りして調整します。最後に、模造紙の余白をカットして、段ボールやプラスチック段ボール(プラダン)などの厚紙に貼り付ければ、風が吹いても飛ばない丈夫な入場門や壁面飾りの完成です。
子供への声かけのヒント
「ここは赤色のねずみさんの服だよ」「ここは美味しそうなカステラだよ」と、今作っている部分が全体の中で何になるのかを伝えてあげましょう。完成形をイメージできるような言葉をかけてあげると、単調な作業もワクワクする時間に変わります。

まとめ
今回は、運動会や発表会を彩る「ぐりとぐら」風モザイクアートの作り方をご紹介しました。
一見すると難しそうに見える巨大モザイクアートですが、「アプリで正確な設計図を作る」「100均素材を活用してコストを抑える」という2つのポイントを押さえれば、誰でも失敗なく、プロのような作品を作ることができます。
何より、小さな紙切れ一つひとつが、みんなの手によって集まり、大きな一つの絵になっていく過程はとても感動的です。完成した作品の前で子供たちが笑顔で写真を撮っている姿を想像すると、準備の疲れも吹き飛びますよね。
ぜひ、次のイベントでは世界に一つだけの素敵な壁面飾りを作ってみてくださいね。クラスの団結力が深まる、最高の思い出作りになるはずです!
※本記事で紹介した方法は一例です。キャラクターの利用については、各施設のガイドラインや著作権法を遵守し、私的使用や教育現場での適切な利用の範囲内で楽しんでください。
記事内容から想定されるQ&A
Q_1 絵心が全くなくて下絵を描く自信がないのですが、私でも作れるでしょうか?
A 大丈夫ですよ!スマホの「ドット絵変換アプリ」を使えば、写真を取り込むだけで自動的に設計図が作れます。あとは指定された色を貼るだけなので、塗り絵感覚で楽しめますよ。
Q_2 運動会の飾り係になったのですが、予算が少なくて…。材料費は高くつきますか?
A ご安心ください。色画用紙やお花紙、糊など、材料のほとんどはダイソーやセリアなどの100均で揃います。低予算でも、工夫次第でとっても豪華な壁面飾りが作れますよ。
Q_3 あの有名な「カステラ」のふわふわした美味しそうな感じ、どうやったら出せますか?
A それなら「お花紙」がおすすめです!くしゃっと丸めて貼るだけで、カステラのふんわり感や、ぐりさん・ぐらさんの毛並みが表現できます。立体感が出て、子供たちも喜びますよ。
Q_4 アプリで設計図を作る時、色はそのままの設定でいいのでしょうか?
A 良い質問ですね!アプリの色数は「10色〜12色」程度に減らすのがコツです。100均の画用紙の色数に合わせることで、材料選びも制作も迷わずスムーズに進みますよ。
Q_5 子供たちと貼っていると、だんだんズレてきそうで心配です。コツはありますか?
A 「端っこから攻める」のがポイントです!中心から貼るとズレやすいので、外枠や端から順に埋めていくように声をかけてあげてください。最後まで綺麗に仕上がりますよ。
Q_6 糊を使うと紙が波打ってシワシワになってしまうのが悩みです。
A 水分が少ない「スティック糊」や「テープ糊」を使うとシワになりにくいですよ。お花紙を貼る時は、土台の方に糊を塗ってからポンポンと置いていくと、手早く作業できます。
Q_7 入場門として屋外に置きたいのですが、風で飛ばないか心配です。
A 完成した模造紙を、段ボールやプラスチック段ボール(プラダン)等の厚紙に貼り付けて補強しましょう。風にも負けない丈夫な入場門作品になりますよ。
Q_8 絵本のキャラクターを勝手に使って作っても、著作権的に大丈夫なのでしょうか?
A 学校行事や、個人的に楽しむ「ファンアート」の範囲なら問題ありません。ただし、作った設計図やキットを販売するのはNGなので、あくまで楽しむ範囲に留めましょうね。
Q_9 子供たちが飽きずに作業を続けるための、良い声かけはありますか?
A 「ここはぐりさんの赤い服だよ」「美味しそうなカステラになるよ」と、完成形をイメージさせてあげるのがコツです。自分が何を作っているかが分かると、子供たちの集中力も続きます。
Q_10 90cmの模造紙で作る場合、設計図のマス目はどれくらいがベストですか?
A アプリの設定で「横幅50〜60マス」程度にすることをおすすめします。これなら1.5cm角くらいの色紙になり、子供が指先で扱いやすく、見栄えも良いバランスになりますよ。
