こんにちは。絵本のサイト絵本ライフ、運営者の「絵本ライフ編集長」です。赤ちゃんのニューボーンフォトやハーフバースデーの記念に、絵本から飛び出してきたような「はらぺこあおむし」の帽子を被せてあげたい。
そう思って作り方を調べてみると、簡単な工作から本格的なニット帽までいろいろな方法が出てきて迷ってしまいますよね。特に、長く愛用したい場合や、写真でアップになった時のクオリティを狙うなら、素材感やサイズ選びはとても大切です。
この記事では、編み図を使ったかぎ針編みの本格的な方法を中心に、縫わずにできる時短テクニックまで、目的に合わせたベストな作り方を徹底解説します。
- 初心者でも失敗しないかぎ針編みの基礎とおすすめの糸選び
- 100均フェルトや画用紙を使った縫わない簡単な帽子の作り方
- あおむし帽子最大の難所である触角をピンと立たせるプロの技
- 新生児からキッズまで月齢別にわかる日本基準の頭囲サイズ表
はらぺこあおむし帽子の手作りは編み図とフェルトどっち?

はらぺこあおむしの帽子を作るにあたり、最初に決めるべきは「素材」です。暖かみのあるニットで本格的に作るか、フェルトや紙で手軽に作るか。それぞれのメリットと、具体的な作り方の手順を見ていきましょう。
本格派ならかぎ針編み!無料編み図の活用法

編み目のポイント
長編みは早く編めますが、防寒性や目の詰まり具合を重視するなら「中長編み」がおすすめです。隙間から髪の毛が見えにくく、よりプロっぽい仕上がりになります。
「せっかく作るなら、長く使えて記念に残るものを」と考える方には、断然かぎ針編み(クロッシェ)がおすすめです。伸縮性があるため赤ちゃんの頭に優しくフィットし、成長に合わせて長く着用できるのが最大の魅力です。
基本の構造はシンプルです。まずは頭のてっぺんから「わ(マジックリング)」で編み始め、円周率(π)の法則に従って規則的に目を増やしていきます。トップの円が直径12〜13cm(参考:新生児の頭囲目安|HugKum)になるまで「長編み」で増し目を続け、そこからは増減なしで側面を編み下ろすだけで、きれいなドーム型の帽子になります。
100均ダイソーのフェルトで縫わない時短テク
「編み物はハードルが高いけれど、可愛い写真は撮りたい」という方には、100円ショップのフェルトを活用した方法が最適です。ダイソーやセリアで売られている赤いニット帽をベースに、フェルトで作った目と触角を貼り付けるだけで完成します。
接着には「裁ほう上手」などの強力な布用ボンドを使えば、針と糸は一切不要。ただし、フェルトは必ず「洗えるフェルト」を選んでください。赤ちゃんは汗っかきなので、洗濯しても縮みにくいポリエステル製のフェルトを使うのが、長持ちさせる秘訣です。
画用紙で簡単お面!保育園の製作にもおすすめ
保育園のお遊戯会や、たくさんの子供たちと一緒に行う工作なら、帽子よりも「ヘッドバンド(お面)」スタイルが良いでしょう。赤色の画用紙を帯状に切り、子供の頭のサイズに合わせて輪にします。
紙で作る場合、触角がペラペラしてしまいがちですが、触角のパーツを縦半分に軽く山折りにする(リブ構造を作る)ことで、強度が増してシャキッと立ち上がります。これなら材料費もほとんどかからず、クラス全員分を作るのも簡単ですね。
もし、このお面を使って運動会やイベントを盛り上げたいと考えている先生方は、こちらの競技アイデア集も参考にしてみてください。
はらぺこあおむし運動会の競技例!年齢別のアイディアを紹介します!
新生児から大人まで!失敗しない毛糸の選び方
帽子作りでデザイン以上に重要なのが「糸の素材選び」です。特に生まれたばかりの新生児(ニューボーンフォト用)の場合、100均のアクリル毛糸はチクチクして肌荒れの原因になることがあります。
おすすめの毛糸素材
- コットン(綿): 通気性と吸湿性が抜群。春〜秋生まれの赤ちゃんや敏感肌の子に最適です。
- ベビーウール: 防寒性が高く、柔らかい加工がされています。冬の外出用におすすめです。
もし、親子ペアや保育士さんがイベントで被る「大人用」を作る場合は、トップの円の直径を17〜18cmくらいまで広げてから側面を編んでください。大人の場合は少し深めに編んで、耳まで隠れるようにすると実用的です。
全身揃えるなら仮装衣装との組み合わせも
帽子ができあがると、どうしても欲しくなるのが「体の部分」の衣装ですよね。帽子とセットで全身あおむしコーデにすれば、可愛さは倍増します。
実は、体の衣装も100均フェルトを使ったり、手持ちの服をリメイクしたりして簡単に作ることができます。型紙なしで作るロンパースや、縫わずにできる簡単な仮装テクニックについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
【型紙不要】はらぺこあおむし仮装の手作り術!100均フェルトや縫わない方法も
はらぺこあおむし帽子を手作りする技術とサイズ表
ただ「赤い帽子に緑の丸を貼る」だけでは、なんだかパチモンのような安っぽい仕上がりになってしまうことも…。ここでは、エリック・カールの世界観を再現するための「美学」と、失敗しないためのサイズデータをご紹介します。
触角が倒れる問題を解決する3つの自立工学

手作りあおむし帽子で最も多い悩みが、「触角が重みでクタッと倒れてしまう」ことです。この問題を解決するには、構造的なアプローチが必要です。
- 綿を限界まで詰める: ピンセットを使い、根元がカチカチになるくらいパンパンに手芸綿を詰め込みます。
- 芯材を入れる: テクノロートやモールをU字型にして中に入れると確実に自立します。
- 根元の編み方を工夫する: 帽子との接合部分を末広がりのラッパ状(フランジ状)に編んで縫い付けると、支える面積が広くなり、テコの原理で倒れにくくなります。
安全対策
モールなどの芯材を入れる場合は、先端が飛び出して頭を傷つけないよう、必ず先端を丸めてフェルトや綿で厚くガードしてください。
リアルな目は楕円が鍵!配置と色の黄金比

あおむしの顔の印象を決めるのは「目」です。原作をよく見ると、真ん丸ではなく少し縦長の「楕円形」をしているのがわかります。
かぎ針編みで楕円を作るには、「わ」ではなく「鎖編み3〜4目」から作り目をスタートし、鎖の両端で増し目をして小判型に広げていきます。また、黄色の白目に対して、緑の黒目(瞳)の大きさは面積比で50%くらいが黄金比。緑が大きすぎると爬虫類のようになってしまうので注意が必要です。
月齢別で安心!日本基準の頭囲サイズ早見表

海外の無料パターン(編み図)を使うと、インチ表記だったり欧米のサイズ基準だったりして、日本の子供には大きすぎることがよくあります。ここでは、日本の一般的な発育曲線に基づいたサイズ目安をまとめました。
| 対象年齢 | 頭囲の目安 (cm) | 帽子の深さ (cm) | アドバイス |
|---|---|---|---|
| 新生児 (0-3ヶ月) | 35 – 40 | 12 – 13 | 伸縮性のある編み方が必須 |
| 乳児 (3-6ヶ月) | 42 – 44 | 14 – 15 | 首が座る時期。少しゆとりを |
| ベビー (6-12ヶ月) | 44 – 46 | 15 – 16 | 動きが活発になる時期 |
| 幼児 (1-2歳) | 48 | 16 – 17 | 個人差が大きいので実測推奨 |
| キッズ (2-4歳) | 50 – 52 | 18 – 19 | 髪の量も考慮してサイズ決定 |
かぎ針編みの帽子は被ると横に伸びる分、縦(深さ)が短くなりやすい性質があります。上記の表の深さは、平置きではなく着用時のイメージなので、迷ったら少し深めに編むのが失敗しないコツです。
触角の色は紫じゃない?原作再現のこだわり

最後に、より本物に近づけるための色選びのポイントをお伝えします。触角の色、なんとなく普通の「紫」を選んでいませんか?
原作の絵本をじっくり観察すると、触角は青みを含んだ深い「プラム色」や「ダークオーキッド」に近い色で描かれています。また、頭の赤色も単色ではなく、少しムラのある深い赤です。毛糸を選ぶ際に、単色の鮮やかな赤ではなく、杢調(ヘザー)の赤や、2色の細い糸を引き揃えて編むことで、あのエリック・カールの筆致のようなニュアンスを再現できますよ。
はらぺこあおむしの帽子を手作りして記念に残そう
一針一針編んだ帽子や、工夫して作ったフェルトの帽子には、既製品にはない温かみがあります。完成した帽子を被ったお子さんの姿は、きっと一生の宝物になるはずです。
もし、あおむしから成長して「ちょうちょ」の姿も作りたくなったら、画用紙で羽を作る方法も紹介していますので、ぜひ物語の続きを楽しんでみてくださいね。
【3選】『はらぺこあおむし』のちょうちょを画用紙で作ろう!年齢別に紹介
上手じゃなくても大丈夫。パパやママが一生懸命作ったその帽子が、お子さんにとっては最高の一着です。ぜひ、世界に一つだけの手作り帽子に挑戦してみてください。
記事内容から想定されるQ&A
Q1 編み物とフェルト、初心者はどちらで作るのがおすすめですか?
A 裁縫道具がない方や時間をかけたくない方はフェルトが手軽でおすすめです。一方で、長く愛用したい方や、赤ちゃんの頭へのフィット感を重視するなら、伸縮性のあるかぎ針編みに挑戦するのが良いでしょう。
Q2 100均の毛糸でベビー帽子を作っても大丈夫ですか?
A 撮影用なら問題ありませんが、新生児や敏感肌のあおむしさんに被せる場合は、アクリル毛糸だとチクチクすることがあります。肌に優しいコットン糸やベビー専用のウールを選ぶと安心ですよ。
Q3 フェルトで作った帽子は洗濯できますか?
A 通常のウールフェルトは縮んでしまいますが、ポリエステル製の「洗えるフェルト」を使えば洗濯可能です。ダイソーやセリアでも購入できるので、パッケージの表示を確認して選んでみてくださいね。
Q4 生まれたばかりの赤ちゃんにはどのサイズが良いですか?
A 新生児なら頭囲35〜40cm、深さ12〜13cmが目安です。編み目の帽子は横に伸びて縦が短くなりやすいので、少し深めに編んでおくと失敗が少ないですよ。
Q5 触角が重みでクタッと倒れてしまいます。
A 触角の中に手芸用の綿を「これ以上入らない」というくらいカチカチに詰めるのが一番のコツです。さらにテクノロートなどの芯材を入れると完璧ですが、先端の保護はしっかり行ってくださいね。
Q6 触角の色は普通の紫色でいいのでしょうか?
A もちろん大丈夫ですが、原作の絵本により近づけるなら、少し青みのある「プラム色」や「ダークオーキッド」を選ぶと、ぐっと本物らしい雰囲気になりますよ。
Q7 あおむしさんの目を作るときのコツはありますか?
A 真ん丸ではなく、少し縦長の「楕円形」にするのがポイントです。中の緑色の瞳は、黄色い白目に対して50%くらいの大きさにすると、愛嬌のある可愛い表情になります。
Q8 画用紙で作った触角がすぐに折れてしまいます。
A 紙の触角は、縦半分に軽く山折りにして「リブ(背骨)」を作ると強度が格段に上がります。ハサミの背などで軽くカールさせると、バネのような弾力も出て立体的になりますよ。
Q9 長編みで作ると隙間が気になってしまいます。
A 隙間を減らしてしっかり作りたい場合は、「中長編み」に変えるのがおすすめです。目が詰まって地厚になるので、防寒性もアップし、よりプロっぽい仕上がりになります。
Q10 帽子の他に体の衣装も手作りしたいのですが。
A 緑色の服をリメイクしたり、フェルトを貼るだけで簡単に作れます。別の記事で「縫わないロンパース」などの作り方を詳しく紹介しているので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。
